なつっこいね、にゃんにゃん

KAT-TUNについて語る。

充電期間に突入した愛すべき彼らの話。

眠りについた船の話。

2016年5月1日21時22分、一隻の船が錨をおろして動きを止めた。期待と希望でいっぱいに帆を膨らませ、大海原に乗り出したあの日から10年。向かい風に航路を阻まれようとも、荒波にもまれようとも、船員が船をおりようとも、傷だらけになろうとも、ずっと駆け抜けてきた航海の途中で、船は一度眠りにつく。長年の航海で傷ついた船を修復して。船員それぞれが別々の道で鍛錬を重ねて。二度と船を傷つけてしまうことがないように、強くなってまた集まろうと誓いを掲げて別れを告げた。

 

涙が照らした眩い風景の話。

充電期間前、最後の公演。ペンライトとうちわとタオルを握り締め、開演の時を待ちわびながら、でも、このまま来てほしくないと願いながら、複雑な気持ちで席についていた。

開演約10分前、どこからともなく始まるKAT-TUNコール。今まで全然揃わなかったコールが、みんなの願いを乗せて一つになった瞬間。みんなの気持ちに応えるかのように、コールを掻き消さんばかりに響いた円陣の掛け声。負けじと声を張って届けたKAT-TUNを渇望する想い。

暗転後、視界いっぱいに広がるペンライトの真っ赤な海。立ち上がる音と歓声。KAT-TUNからのメッセージに沸き起こる拍手。過去を振り返る映像で蘇る思い出。取っ払われる幕。ずっしりと鳴り響くイントロ。現れる海賊船。KAT-TUNの登場に熱量を上げる客席。

「最後の出航だ!!!」

開演前から溢れていた涙は、美しい光景を目に焼き付けたいという想いとは裏腹に、拭っても拭ってもとめどなく流れてきた。

 

充電期間がもたらしたものの話。

たくさん泣いてたくさん笑ってたくさん声出して今までで一番一体感を感じたライブだった。KAT-TUN待ってるよ、と声を枯らして懸命に想いをぶつけた。みんなの熱い想いが一つになって、大きな大きなエネルギーを生み出していた。

冒頭からずっと泣いてしまったけれど、切なかったけど、寂しかったけど、悲しかったけど、でも、楽しくてあたたかくて幸せな空間だった。KAT-TUNも嬉しそうだった。「黄色い声出るんじゃん」って笑ってた。

あれ、わたしたち、もしかして最近黄色い声出せてなかったのかな。他のグループのファンの方から、「KAT-TUNとファンの関係性は素敵だね」「相思相愛だね」とよく言われるから、そうでしょうそうでしょう愛されてるでしょうと鼻高々に胸を張っていたけれど、それに甘えていたのかな。開演前は円陣の掛け声が聞きたいし、KAT-TUNって他のグループと違ってコールする感じじゃないじゃん?KAT-TUNを大好きで求めてる気持ちは言わなくても分かるでしょ?アンコールも出てきてくれるよね?なんだそりゃ。大好きだからこそ、想い合っているからこそ、伝えなくちゃいけない大事な大事な気持ちがあったのに。

充電期間という未知の領域を目の当たりにしたおかげで、忘れてた気持ちに気づけた。今だけじゃなくて、「おかえり」の時も、その先もずっとずっと、“今までで一番一体感があって幸せなライブだった”を塗り替えられるように、わたしたちだってやらなきゃいけないことたくさんあるよ、うん。

 

攻めこそ最大の防御の話。

KAT-TUNのCMがなくても、世間から「どうせまた誰か辞めるんでしょ?」と思われても、ドームでライブができなくなったとしても、このままそれなりに活動を続けることはできたと思う。

でも、それじゃKAT-TUNじゃないじゃん!KAT-TUNの譲れないプライドも、ギラギラしたブランドイメージも、圧倒的な空間演出力も、孤高のスター性も、全部なかったことにして惰性で続けるなんて、そんなのKAT-TUNらしくないじゃん!攻撃力は100だけど防御力0なんだから、守りに入ったら勝てるものも勝てないよ。だから、KAT-TUNKAT-TUNのファンが“愛するKAT-TUN”をなくさないために、必要な攻めの選択だったんだと、そう思いたい。

充電期間を経て再集結したら、KAT-TUNはもう大丈夫だって世間を納得させられるはずだ。一度立ち止まってしゃがみ込んで溜めたパワーを合わせたら、高くもっと跳べるはずだ。

過去を変えたりしない。必要な時間だった。そう神様に胸を張って言えるような充電期間にしよう。

 

少しくらい夢見させてね、の話。

東京ドームで錨をおろしたので、復活の際は、また東京ドームで「出航だ!」って叫んでほしいし「おかえり!」って言いたい。再集結を祝って笑顔でハグしてほしい。シングルもアルバムも記録継続中だから、遅れを取り戻すためにいっぱいリリースしてほしい。(充電期間中に貯金はしっかりしておくので。)またタメになる旅に出てほしい。KAT-TUNとして夢見たのに叶わなかったことを実現してほしい。(メンバーでドラマとか野外ライブとか。)KAT-TUNとしてビッグになれ!!!そして3人は絶対に幸せになって!!!

 

 

 

 

 

これからもずーっと、船をおりる気はないからね。